ピラティスのシザーズのやり方
**シザーズ(Scissors)**は、仰向けで両脚を上下に入れ替えるエクササイズです。名前のとおり、はさみのように脚が交差します。オリジナル34本のひとつで、シングルレッグストレッチの発展形にあたります。
シングルレッグストレッチと同じく、見られているのは脚ではありません。脚が上下に入れ替わっても、骨盤と腰が動かないことです。
下ろす脚の高さで難易度が決まる
この種目の難しさは、たった1つの要素で決まります。下の脚をどれだけ床に近づけるかです。
| 下ろす脚の位置 | 難易度 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 天井寄り(60度以上) | やさしい | 腰が浮く人・初めての人 |
| 45度前後 | 標準 | 腰を保てるようになった人 |
| 床すれすれ | 難しい | 腰がまったく浮かない人のみ |
**床に近いほど上級ではありません。**腰が浮いた時点で腹部から負荷が抜け、腰を反らせる運動に変わります。
効果
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 腹部の持久力 | 入れ替えの間ずっと働き続ける |
| 骨盤の安定 | 上下の入れ替えに動じない |
| 裏ももの伸長 | 上の脚が自然に伸びる |
| 左右差の自覚 | 硬いほうがはっきりわかる |
やり方【5ステップ】
ステップ1:開始姿勢を整える
仰向けで両膝をテーブルトップ姿勢にし、骨盤はニュートラル。背中はマットに預けます。
ステップ2:上体を起こす
息を吐きながら、頭と肩甲骨の下までを床から離します。首だけを起こさず、肩甲骨ごと巻き上げます。
ステップ3:片脚を胸に近づける
右脚を天井方向へ伸ばし、**両手を右のふくらはぎか太ももの裏に軽く添えます。**左脚は斜め前へ伸ばします。
**手は添えるだけ。**強く引くと、腹部ではなく腕の仕事になります。
ステップ4:脚を入れ替える
息を吸いながら、はさみのように脚を上下に入れ替えます。このとき腰がマットから浮かないことが唯一の条件です。浮くなら、下ろす脚を高くします。
ステップ5:リズムをつくる
2回の入れ替えで吸い、2回で吐く。左右交互に10往復を目安にします。
簡易版
首が疲れる場合
頭をマットにつけたまま、脚の入れ替えだけを行います。
裏ももが硬い場合
膝を軽く曲げたまま入れ替えます。伸ばすことは目的ではありません。
よくある間違いと対処法
腰が浮く
下ろす脚が低すぎます。高さを上げるだけで解決します。
手で引っ張りすぎる
脚の可動域を手で広げているだけになります。手を離しても同じ位置を保てるか試すと、引きすぎかどうかがわかります。
反動で入れ替える
勢いで振ると腹部が働きません。速度を半分にしてください。
肩がすくむ
上体を起こしたまま脚に手を伸ばすと、肩が上がりやすくなります。肩を耳から遠ざけたまま保ちます。
目安の回数
| レベル | 回数 | 意識すること |
|---|---|---|
| 初めて | 頭をつけたまま左右5往復 | 腰を浮かせない |
| 慣れてきた | 上体を起こして10往復 | 手は添えるだけ |
| 継続時 | 10往復×2セット | 下ろす脚の高さを一定に |
順序
- シングルレッグストレッチ(膝を曲げて替える)
- シザーズ(脚を伸ばして替える)
- ダブルレッグストレッチ(両脚同時)
**脚が伸びるほど、腰への負担は上がります。**順に進めてください。
まとめ
シザーズは、脚を大きく開く種目ではなく、骨盤を止める種目です。うまくいかないときに変えるのは回数ではなく、下ろす脚の高さだけです。
腰が浮くなら上げる、首が疲れるなら頭をつける。この2つの調整で、ほとんどの問題は解決します。